サイトへ戻る

これで分かる!見積もりの種類と方法

2022年5月9日

翻訳の見積もりは大きく分けて「ページ数を数える方法」と「文字数を数える方法」があります。多くの翻訳会社ではどちらかを採用していることが多いようです。また数える対象によって、翻訳元言語の文字数を数える方法と、翻訳後の文字数を数える方法あります。例えば日英翻訳の場合は、日本語の文字数を数えるのが前者で、出来上がりの英訳の単語数を数えるのが後者です。

弊社を含め日本の多くの翻訳会社は前者を採用していますので、以下これを前提に記述していきます。

ページ数を数える方法

まず、ページ数を数える方法についてです。これは例えば、パンフレットを翻訳したい場合、パンフレットのページ数ではなく、原稿用紙1枚400文字を1ページとして考え、パンフレットの文字数を400で割って得た数字をページ数とする方法となります。余りが出た場合は、翻訳会社によっては0.5ページとして計算する場合もあれば、1ページとみなす場合もあります。例えば4320文字の場合は、10.5ページか11ページとなります。そしてページあたりの単価をかければ、翻訳料となります。

文字数を数える方法

一方弊社が採用しているのは文字数を数える方法で、原則1文字単位まで正確に計算します。もちろん、テキストが取れない原稿、例えば写真や画像化されたPDF、AIファイルなどの場合は、概数を取らざるを得ず、完全に正確な文字数にはなりません。したがって�より正確な見積もりを作成するには、テキストが取れる原稿の提供が必須になります。

文字数の数え方

次に文字数の数え方ですが、テキストが取れる原稿からテキストをテキストエディタなどに落として、さらにWordファイルに貼り付けします。なぜテキストエディタを経由するかというと、そのままWordファイルに貼り付けると表組みや文字の装飾などの元原稿の書式が付いてきて、正確に統計できない可能性があるだけでなく、操作も場合によっては非常に重くなるからです。

さてWordファイルに貼り付けた後は、Wordの校閲タブ→文字数カウントで文字数を確認します。日本語や中国語、韓国語などの単語ではなく文字で数える言語の場合は、上から3番目の「文字数(スペースを除く)」の数字をとります。

 

 この方法では句読点を含むスペース以外の文字はすべて統計します。なぜ句読点まで統計するかというと、句読点も含めて翻訳の対象だからです。一方スペースは翻訳対象ではありませんので統計しません。

Excelの注意点

Excelで原稿を作成するお客様も多くいらっしゃいますが、セル内で改行ある場合テキストエディタにペーストするとダブルコーテーションが前後に付く場合があります。これを取らないと文字数が微増してしまいます。

上記の方法で面倒の場合は、Excelでは直接文字数を統計することも可能です。その場合は次の例のように、LEN(TRIM(対象セル))の数式を使います。TRIMで前後の空白を取り、LENで全体の長さを数えるという仕組みです。

 

なおテキストボックス内の文字数を統計されません。これはWordでもExcelでも共通していることです。

PDFの注意点

書式がシンプルなPDFの場合は、Adobe Acrobatを使ってWordファイルに変換してから前記のWordファイルのカウントの仕方で数えることができます(Acrobat Readerではできません)。

経験上多くの場合はレイアウトが少しでも複雑だともうこれがレイアウトが崩れたり、文字がぐちゃぐちゃになったり、場合によって文字化けしたりして、うまく機能しません。その場合はテキストをPDFから取ってテキストエディタにペーストするほかないのですが、PDFのテキストは多くの場合は左から右へ、上から下へという順で内部では並んでおらず、全体をいっぺんに選択してコピペすると、うしろの文章が前に来たり、段落の途中で切れて後半はだいぶ後のところにあったりすると、これまたうまく行かないことが多いのです。

したがって根気よく少しずつテキストをとっていくしかありません。

テキストが取れない原稿の場合

テキストが取れない原稿の場合は紙に出力して手動で文字数を数えます。

まず全体のページを確認し、レイアウトが似ており文字の分量もそれほど差がない原稿を洗い出し、そのうちの1枚のみを数え、その結果を先程出したページ数に掛け算します。

またマップ等の短い表現が多い原稿の場合は、地図上の「〜駅」「〜署」といったテキストブロックの数を数え、それからこれら地図上表記のおおよその平均数(多くの場合は4〜7、8文字ぐらい)をかけてマップ全体の文字数を出します。

文章に関しては、1行の文字数を数え、行数をかけて、最後の行の過不足などを調整して文字数を出します。

いかがだったでしょうか。弊社の見積もりはおおよそ以上の方法でやっています。お客様自身も今度は試してみてはいかがでしょうか。なお他のことを思いついたらまた補足します。