ホームページやパンフレット、名刺などで日本語の住所を英語に変換する必要があるとき、みなさんはどのようにしていますか?
自分で英語が得意なら問題ないですが、そうでなければ、自分で翻訳するか、翻訳会社に依頼することが一般的ですよね。またインターネット上には、日本語の住所を英語に変換するツールもいくつかあり、それらを利用するかもしれません。
実は弊社でも同じことをするサービスを開発しました。名付けて「住所変換機」。既存のツールと比べて精度が高いと自信していますので、ぜひご利用ください。
使い方は簡単!
郵便番号を入力すると、自動で住所が表示されます。続けて番地、建物名、階数や部屋番号を入力し、変換ボタンを押すだけ。他のツールと操作は似ているので、使い方に迷うことはありません。
「住所変換機」の特徴
- データベースで誤変換の防止 ローマ字への1対1の変換ではなく、正しい表記が格納されたデータベースを利用しているので、1対1の変換に起因する誤変換を防止します。
- ヘボン式ローマ字
日本で最も一般的に使用されるヘボン式ローマ字へ変換します。 - 最新データ使用
日本郵便が提供する最新データを使用し、毎月更新されますので正確さが保証されます。 - 建物名の自動変換
「ビル」「レジデンス」など、一般的な建物名を自動的に適切な英語表記に変換します。
開発背景について
すでに既存のツールがイン−たネット上にあるのに、どうして弊社が「住所変換機」を開発したかというと、既存のツールにいくつか問題が普遍的にあり、正確な住所変換が難しいと感じたからです。
たとえば「松浦」という地名が「Matsuura」と正しく変換されずに「Matsura」となってしまうことがいくつものツールで見られています。これは「マツウラ」を1対1でローマ字に変換するときに、「ツウ」を伸ばす音として認識し、そして「ツウ」のローマ字表記が「tsu」ですから、機械的に「Matsura」としてしまったからだと思われます。
ほかにも、市区町村レベルより下の町域レベルでは、「〜町〜」というような名前の住所があります。このような町域名を英語の変換するときに、一部のツールが「町」の文字をくぎりとし、英語表記にカンマを入れて2つに分けることがあります。
福岡県みやま市にある「高田町南新開」(カタマチミナミシンガイ)を例に説明します。この町域名は1つのまとまりであって、「高田町」にある「南新開」という意味ではありません。(もともとそういう意味だったかもしれませんが、町域名となった今は、あくまで1つのまとまりとみなすべきです。したがって英訳は「Takatamachiminamishingai」とすべきで、「Minamishingai, Takatamachi」とすべきではありません。
これらの問題に対処したツールがあればいいな、と思い、「住所変換機」開発しました。
不足と限界
もちろん、不足もあります。上記の「Takatamachiminamishingai」は、正しい表記とはいえ、非常に読みづらく、「Takatamachi-Minamishingai」のような形でハイフンで要素を繋いだ形のほうが読みやすいことは言うまでもありません。しかし日本全国の町域は118987もあり、そのうちのかなりの数がこのような長い町域のため、対処は根気のいる作業になります。
いずれ解決する予定ですが、対応されるまではご自分でハイフンを入れていただければと思います。意味の区切りとなるところにハイフンを入れ、後半の最初のアルファベットを大文字するだけでいいと思います。
開発後記
このようなツールを作ることを随分前から考えつづけてきましたが、プログラミング初心者のわたしにとっては荷が重く、なかなか着手できていませんでした。
そんな私に救いの手を差し伸べてくれたのは、ChatGPTです。「住所変換機」は自分でプログラミングをほとんどせずに、ChatGPTが教えてくれたコードを組み合わせてはまた新しい要求を出し、その答えをまた組みわせるという流れで開発しました。
これまでは考えられなかったことが、ここ1年でできるようになり、AIの凄さに感銘を受けています。
とはいえ、まったく私にプログラミングの知識がなかったら開発できかというと、おそらくできなかったでしょう。機械翻訳ツールと同様に、ある分野で助けてくれる便利なツールがあれば、それを活用できるのは、その分野ですでに一定の知識を持っている人だということを改めて認識させてくれました。
おまけ
ChatGPTに質問しているところ
ChatGPTの回答